日本インスツルメンツ株式会社

水銀ってなに?

水銀は自然界に存在する常温で液体である唯一の金属元素です。生き物にとって有害であることでも知られています。 この銀色な液体金属は密度が高く、その高い表面張力のために、岩の細孔に小さな完全な球形として見つかることが多くあります。元素記号”Hg”として知られ、以下のような特性があります。

物理特性
原子番号 :80
原子量:200.59
金属結合半径 :1.50A
融点:-38.9℃/234.3K
沸点:357℃/630K
導電率:0.0106/m・Ohm
熱伝導率:7.8W/m・K
密度:13.6g/cm3@273K
蒸気圧:0.16Pa@293K
気化熱:58.1 kJ/mol
融解熱:2.33 kJ/mol
金属水銀

(0価)は最も安定した態であり、水にも殆ど溶けません。金属水銀がこぼれてしまった場合、室温で蒸気化し危険です。この蒸気化した水銀は肺から吸入され血液中に取り込まれます。金属水銀は皮膚を透過して血液中に取り込まれることもあります。

有機水銀化合物

有機水銀化合物はメチル水銀やジメチル水銀のように最も毒性の高いものです。 これらは工業的に合成が可能で、また自然界ではバクテリアによって他の水銀化合物からつくられます(メチル水銀など)。
化学的に合成された有機化合物は殺菌剤として使用されてきました。有機水銀化合物の中には水溶性のものがあり、水産生物の食物連鎖の中で蓄積されていきます。それらは3つのルート(肺、皮膚、胃)を通して人体に取り込まれることになるのです。

無機水銀化合物

無機水銀化合物はイオン化水銀を含み、塩素との結合が一般的です(塩化水銀など)。無機水銀化合物の多くは、その毒性のために特に一般消費材や農業関連目的の使用をその国の政府によって禁止されてきました。
しかし一方で無機水銀化合物はこれまで世界的に消毒剤や殺虫剤として用いられてきました。これを吸い込んでしまった場合、肺をとおして吸収され、皮膚から排出されることになります。
しかしもしもこの化合物を飲み込んでしまった場合には、胃から吸収されてしまいます。多くの無機水銀化合物は皮膚や目や鼻の粘膜にも炎症やただれを引き起こしたりします。

環境と水銀

水銀はどこに存在しているのでしょうか?
水銀は自然界に存在する元素です。その化合物は自然環境の中で目にすることができ、 その代表的なものが朱肉の赤色顔料となる辰砂(硫化水銀)で岩石や土壌に含まれています。 地圏において水銀はクラーク数によると0.2mg/kgとされ、化石燃料の石炭中にも同程度含まれており、微量ながら鉱石、岩石中にも含まれています。大気中に存在する水銀の発生源は、火山活動等によるものもありますが、約半分が化石燃料・廃棄物などの燃焼による人為的発生によるものと言われています。
また私達の身のまわりには水銀を使用した製品が使われてきました。その多くは水銀を使用しなくなっておりますが、蛍光管など現在も使用されています。大気からの水銀や廃棄物からの水銀が自然界の循環サイクルの中で一部が微生物などにより、有機化され魚などの体内にメチル水銀などの形で濃縮・蓄積されることになります。

水銀汚染を防ぐために何ができるのでしょうか?
すでにご存知のとおり、大気中の水銀の約半分は人工的な汚染によってもたらされたものです。一度水銀蒸気が大気中に放出されてしまうと、これを除去することは非常に難しくなります。従って環境に入り込んでしまう前に、防ぐしか手はありません。
多くの体温計などの一般商品から水銀は段階的に削減されつつあります。しかし私たちも消費者の立場として、もしも水銀に代わるものが存在するのであれば、水銀を含む商品はできるだけ購買しないよう心がけることも必要ではないでしょうか。
各家庭では水銀を含む蛍光管や体温計などが使用されています。 しかしこれらの製品はいずれ劣化などで不要となり、一般廃棄物として廃出することになりますが、廃出にあたっては有害廃棄物として分別(自治体の処理施設、処理能力により処理できない一般廃棄物がありますので、当該各区市町村にお問合せください)し、水銀等の再資源化に心がけたいものです。
人類の活動により引き起こされた水銀汚染の3分の2のうち、80%は(自然に水銀を含む)石炭、石油、ガスの燃焼施設からエネルギーを取り出す過程で生み 出されています。もしも電力量を一定に保とうとするのであれば、石炭、石油、ガスの燃焼を減らすことで、排出される水銀レベルを引き下げるように努力する 必要があります。

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